宝石の知識

宝石の知識10 クリスタル2

2024年02月29日 [ 宝石の知識 ]

クリスタルについて2
 
 
色つき水晶、変わり水晶
 
人工水晶など、水晶や
 
クリスタルの種類について
 
解説します。
 
 
■変わり水晶
 
・タイガーズアイ
タイガーズアイ(Tiger's Eye)とは、
ブルーアスベストに石英が染み込んで
硬化した混合石のことです。
 
・針入り水晶
針入り水晶とは、水晶の結晶中に
ルチル(金紅石)の針状結晶
が内包されたものを指し、
細い金色の針が入り込んだように
見えることからこの名が付いています。
 
・ススキ入り水晶
ススキ入り水晶とは水晶の結晶中に
トルマリンを始めとする柱状の
鉱物が内包されたものを指します。
緑色にみえることから「ススキ」の
名が付いています。
 
・草入り水晶
草入り水晶とは、水晶の結晶中に
緑泥石などの草のように見える
鉱物が内包されたものを指します。
コケやマリモのように見えたり
することから「草入り」の名が
付いています。
別名は「ガーデンクォーツ」です。
 
・水入り水晶
水入り水晶とは、水晶の結晶中に
液体が閉じ込められたものを指し、
内部の液体は、水晶が形成された
当初の環境情報を保存していると
考えられています。
 
・山入り水晶
山入り水晶とは、結晶中の一部分に
だけ色の付いた不純物を含むものを
指し、不純物と結晶との境目が
あたかも山のように見えることから
この名が付いています。
緑色や境目が複数あるものなど、
様々なヴァリエーションが存在し、
「ファントムクォーツ」
(幻の水晶)とも呼ばれています。
 
・松茸水晶
松茸水晶とは、結晶中の一部分に
だけ色の付いた不純物を含むものを
指し、不純物と結晶との境目が
あたかもキノコのように見える
ことからこの名が付いています。
 
・日本式双晶
日本式双晶とは、二つの結晶が
ハート型を保ったままくっついた
ものを指します。
 
 
■人工水晶
 
水晶(クリスタル)に
 
人工的な処理を加え、
 
色合いなどを変化させた
 
宝石があります。
 
語尾に「オーラ」と
 
付くのが特徴です。
 
 
・アクアオーラ
アクアオーラは、
真空内において、水晶を
摂氏871℃になるまで加熱し
、その後金の蒸気を水晶の
表面に付着・融合させること
で作り出します。
アクアオーラの色合いは
透明感のある水色ですが、
表面に現れる反射光は、
金原子の影響で薄ピンクから
黄緑色に輝きます。
 
・オーロラオーラ
オーロラオーラは、
真空内において水晶を加熱し、
その後イオン化した金属
(銀・白金)の蒸気を添加する
ことで作り出します。
色合いは透明で、表面に現れる
反射光は金属原子の影響で
赤から青色を呈して、時には
オーロラのような色合いを
示すこともあります。
 
・コスモオーラ
コスモオーラは、
真空内において水晶を加熱し、
その後イオン化した金、
インジウム、ニオビウムなどの
蒸気を水晶の表面にを付着
させることで作り出します。
色合いは透明感のある青紫の
ような色で、タンザナイトに
似ていることから
タンザナイトオーラとも呼ばれます。
 
・ゴールデンオーラ
ゴールデンオーラは、
真空内において、水晶を加熱し、
その後イオン化した金の蒸気を
水晶の表面に蒸着して作り出します。
同じく水晶に金を蒸着させた
アクアオーラよりも低温環境で
作り出したものが
ゴールデンオーラです。
 
・ローズオーラ
ローズオーラは、
真空内において水晶を加熱し、
イオン化した金、銀、白金の蒸気を
添加することで作り出します。
色合いは透明感のある赤-ピンクで、
表面に現れる反射光は金属原子の
影響で金色を呈します。
 

宝石の知識10 クリスタル1

2024年02月28日 [ 宝石の知識 ]

クリスタルについて1
 
 
色つき水晶、変わり水晶
 
人工水晶など、水晶や
 
クリスタルの種類について
 
解説します。
 
 
■水晶・クリスタルの種類
 
クリスタルは、
二酸化ケイ素が結晶して
 
でできた鉱物である石英の
 
中でも、特に無色透明な
 
もののことです。
 
クリスタルと水晶を同等
 
で扱います。 
 
水晶(クリスタル)は、
 
わが国においては古くから
 
良質なものを多く産出して
 
いたため、国石に指定
 
されています。
 
水晶には、色やその他の
 
条件により非常にたくさんの
 
呼び名があります。
 
 
■色つき水晶
 
・紫水晶
紫水晶とはアメシストの
和名であり、紫色に色
づいた水晶のことを指します。
発色要因は、内部のケイ素を
置換した微量の鉄イオンに
よるものと考えられており、
加熱するとレモン色や
黄色に変わりやすく、
また紫外線にさらすと
退色してしまいます。
 
・黄水晶
黄水晶とはシトリンの
和名であり、黄色に色づいた
水晶のことを指します。
発色要因は内部の鉄イオンに
よるもので、紫水晶との色の
違いは色中心のエネルギー
準位の差で発生すると
考えられています。天然の
黄水晶の産出が少ないため、
紫水晶を熱処理して黄色に
したものが市場に多く
出回っています。
 
・紅水晶
紅水晶とはローズクォーツの
和名であり、薄いピンク色に
色づいた水晶のことを指します。
紅水晶のピンク色は、内部に
含まれる微量のチタン、鉄、
マンガンに由来すると
考えられており、光によって
退色しやすいという特性を持ちます。
紅水晶の中には、特殊効果として
スター効果を持つものもありますが、
これは内部に含まれる微細な
ルチルによるものです。
 
・玉髄
玉髄(ぎょくずい)とは、
カルセドニーの和名であり、
クォーツ(石英-せきえい)と
モガナイト(moganite)の
非常に細かい結晶が網目状に
集まり、緻密に固まった鉱物の
変種のことを指します。
 
・煙水晶
煙水晶とは、
スモーキークォーツの和名であり、
煙がかったような灰色に色づいた
水晶を指します。発色要因は、
多量の放射線を受けた微量の
アルミニウムイオンが、
水晶内部で光を吸収するためと
されています。受けた放射線の
量に比例して色が濃くなるため、
この特徴を利用して人工的に
着色する場合もあります。
 
・黒水晶
黒水晶とは、こげ茶から
黒に色づいた水晶のことです。
煙水晶との区分が明確ではないため、
色の濃い煙水晶との見方もあります。
煙水晶と同じく、人工的な
放射線照射によって着色が可能です。
 
・レモン水晶
レモン水晶とは黄色に
色づいた水晶のことです。
発色は、結晶の間に入り込んだ
硫黄だとされており、結晶内部から
発色する黄水晶とは区別されます。
 
・緑水晶
緑水晶は緑に色づいた水晶のことです。
発色要因は、内部の微細な角閃石などです。
 

宝石の知識9 星座の宝石

2024年01月26日 [ 宝石の知識 ]

星座の宝石一覧
 
 
十二星座にはそれぞれ
 
守護石と呼ばれる宝石
 
が設けられています。
 
国によって違いがありますが、
 
重複して現れる宝石も
 
多数存在します。
 
下記では日本における星座と
 
守護石の対応表を掲載します。
 
 
■星座とその守護石
 
・山羊座(12/22~1/19)
メイン石:ターコイズ ガーネット
サブ石:オブシディアン パール
 
 
水瓶座(1/20~2/18)
メイン石:アメシスト アクアマリン ラピスラズリ
サブ石:サファイア ジェイド
 
 
魚座(2/19~3/20)
メイン石:アクアマリン ダイヤモンド
サブ石:ムーンストーン ジェイド パール
 
 
牡羊座(3/21~4/19)
メイン石:ルビー インカローズ ガーネット カーネリアン
サブ石:ダイヤモンド サファイア ブラッドストーン
 
 
牡牛座(4/20~5/20)
メイン石:エメラルド ラピスラズリ トパーズ マラカイト
サブ石:アクアマリン ヒスイ
 
 
双子座(5/21~6/21)
メイン石:アゲート ジェイド ムーンストーン
サブ石:アレキサンドライト トルマリン クリスタル
 
 
蟹座(6/22~7/22)
メイン石:ムーンストーン パール ターコイズ
サブ石:アクアマリン アゲート
 
 
獅子座(7/23~8/22)
メイン石:ダイヤモンド タイガーアイ
サブ石:ルビー アンバー
 
 
乙女座(8/23~9/22)
メイン石:カーネリアン
サブ石:サファイア レッドジャスパー ターコイズ
 
 
天秤座(9/23~10/22)
メイン石:ペリドット トルマリン
サブ石:オパール サファイア ダイヤモンド
 
 
蠍座(10/23~11/21)
メイン石:オパール トパーズ
サブ石:ブラッドストーン ルビー
 
 
射手座(11/22~12/21)
メイン石:トパーズ マラカイト アメシスト
サブ石:ガーネット ラピスラズリ ターコイズ
 
 

宝石の知識8 宝石のカット3

2024年01月25日 [ 宝石の知識 ]

宝石のカットについて
 
 
宝石の代表的なカット
 
について解説します。
 
 
■カボションカット
 
 
カボションカットとは、
 
宝石を半球形に
 
磨きあげることで、
 
小切子面から構成される
 
ファセットカットに
 
対峙するカッティング
 
方法です。
 
ファセットカットが
 
透明な宝石に対して
 
採用されるのに対し、
 
カボションカットは
 
不透明な宝石に適用され、
 
通常は、頂上がトツ面で
 
底部が平らになります。
 
またカボションカットは、
 
砂塵に含まれる石英に
 
よって傷が付きやすい、
 
モース硬度7以下の宝石に
 
対して多く用いられますが、
 
これはカボションカットが
 
表面の引っかき傷などを
 
目立たなくするという
 
特性を持っているからです。
 
サファイアやクリソベリルなど、
 
特殊効果の出やすい宝石に
 
対してもカボションカットが
 
採用されますが、これは
 
ファセットカットにして
 
しまうとせっかくの効果、
 
スター効果やキャッツアイ
 
効果などが肉眼で確認できなく
 
なってしまうからです。
 
カボションカットの
 
一般的な形状は長円形ですが、
 
理由としては、円形に比べて
 
微小な非対称性に気づき
 
にくくなること、単純に長円形
 
ドームが造形的に美しい
 
という点が挙げられます。
 
研磨されるドームが
 
表だけのものが
 
シングルカボションカット、
 
表と裏の両面に付いたものが
 
ダブルカボションカットと
 
呼ばれ、その他には、
 
ローカボションカット、
 
ハイカボションカット、
 
ホローカボションカット
 
などのバリエーションが
 
あります。
 
 

宝石の知識8 宝石のカット2

2024年01月24日 [ 宝石の知識 ]

宝石のカットについて
 
 
宝石の代表的なカット
 
について解説します。
 
 
■ファセットカット
 
 
ファセットカットとは、
 
ファセット(英語で
 
切子面・小平面の意味)
 
という言葉が示す通り
 
いくつもの小さな面が
 
幾何学的に組み合わされた
 
カッティング方法で、
 
宝石の持つ透明度を
 
最大限に生かす場合に
 
用いられます。
 
透明度と光の屈折率が高い
 
宝石に多く用いられますが
 
大別して
 
ブリリアントカット
 
ステップカットがあります。
 
 
■ステップ・カット
 
ステップカットとは、
 
宝石の外周が正方形や
 
その他の四角形に
 
型どられており、
 
切子面(ファセット)が
 
側面のガードルに対して
 
平行に削られているもの
 
を指します。
 
ステップカットは、
 
近年では
 
ブリリアントカットの
 
後塵を拝していますが、
 
1910年代半ばから
 
1930年代にかけて流行、
 
発展した装飾の一傾向で、
 
幾何学図形をモチーフにした
 
記号的表現や、原色による
 
対比表現などの特徴を持つ
 
大変な人気を誇っていた
 
カッティングです。
 
 
・エメラルドカット
 
破損防止の為に角を
 
削り取られて8角形に
 
なったステップカットは、
 
特にエメラルドカットと
 
呼ばれますが、これは
 
このカッティング方法が
 
エメラルドに対して頻繁に
 
用いられたことに由来します。
 
上部のクラウン部も、
 
下部のパビリオン部も、
 
ブリリアントカットほどの
 
厚みを持たないため、
 
輝きという点においては
 
見劣りしますが、
 
テーブル面が広いことから、
 
逆に宝石の透明度を
 
引き立たせるカッティング
 
方法ともいえます。
 
 
・バゲットカット
 
バゲットカットは
 
ステップカットの内
 
で最も有名なものですが
 
バゲットカットを
 
施された宝石は、
 
宝飾品の中央に配置された
 
ブリリアントカットの
 
メインストーンの
 
脇に配置されることが
 
多いようです。
 
 
・スクウェアステップカット
 
スクウェアステップカットは、
 
角が削り取られていない点が特徴で、
 
アンティークジュエリーに
 
よく見られるデザインです。
 
同じく四角いデザインの
 
プリンセスカットと
 
似ている点もありますが、
 
スクウェアステップカットの
 
特徴であるシンプルな
 
ファセットで見分けが付きます。
 
キューレットはあったり
 
なかったり、まちまちです。
 
 
■ミックス・カット
 
ミックスカットとは、変種を
 
含むブリリアントカット、
 
及びステップカットの両方の
 
特性を備えたカッティング方法を
 
指し、歩留まりの維持しつつ、
 
ブリリアントカットの
 
視覚効果とステップカットの
 
デザイン性を組み合わせる
 
ことを目的としています。
 
通常は上部のクラウン部に
 
ブリリアントカットが施され、
 
下部のパビリオン部には
 
ステップカットが施されます。
 
ミックスカットが最初に
 
登場したのは1960年代ですので、
 
比較的最近誕生した
 
カッティングといって
 
よいでしょう。
 
ミックスカットは商業的に
 
大成功を収めており、
 
ラウンドブリリアントカットが
 
維持していた人気の牙城を
 
崩すほどの勢いを
 
持ちつつあります。
 
 
・バリオンカット
 
ミックスカットの内、
 
最初に登場したのは
 
バリオンカットで、
 
1971年のことでした。
 
南アフリカのバジル・
 
ウォーターメイヤー氏が
 
考案したこのカッティングは、
 
彼の妻であるマリオンに
 
ちなんで名づけられ、
 
研磨されたガードルを
 
もつ8角形、もしくは
 
四角形のデザインを
 
特徴としています。
 
総ファセット数は、
 
キューレットを除いて
 
クラウン部に25、
 
パビリオン部に29、
 
そしてガードル部に
 
8のトータル62です。
 
バリオンカットの特徴は、
 
パビリオン部に形成された
 
パビリオンファセット、
 
及び三日月形のファセット
 
によって、上部のテーブル
 
ファセットに浮かび上がる
 
十字模様です。
 
 
・レイディエントカット
 
バリオンカットと
 
似通ったカッティングとしては、
 
レイディエントカットが
 
ありますが、こちらの
 
総ファセット数が70です。
 
バリオンカットにも
 
レイディエントカットにも
 
非常にたくさんの変種があり、
 
各宝石には大同小異の
 
アレンジが施されています。
 
 
・プリンセスカット
 
最も成功を収めた
 
ミックスカットとしては、
 
イギリス・ロンドンの
 
A・ネイジーが1960年に
 
世に送り出した
 
プリンセスカットが
 
挙げられます。
 
プリンセスカットは当初、
 
平らな紅柱石の為に
 
考案されたものでしたが、
 
人気の上昇に伴い、
 
AGSを始めとする団体は、
 
ラウンドブリリアントカットに
 
匹敵するほどの厳密な
 
評価基準を設けたほどです。
 
プリンセスカットの絶大な
 
人気の秘密は、他の
 
ミックスカットと比較して
 
宝石の輝きを引き立たせる
 
いう点の他に、カットに
 
よって失われる原石を
 
最小限にとどめることが
 
出来るという点にあります。
 
 
・フランダースカット
 
その他のミックスカット
 
としては、角を削り落とした
 
スクウェアカットの変種とも
 
言えるフランダースカット
 
などがあります。
 
 

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