10万円金貨は2種類！御即位・御在位で買取価格に差が出る理由とは？

近年、金相場の高騰を受けて注目が集まっている「10万円金貨」。

実はこの記念金貨、「御即位記念」と「御在位記念」の2種類が存在することをご存知でしょうか？そして、どちらも額面は同じ10万円ですが、実際の買取価格には大きな差が出る場合があります。

この記事では、「10万円金貨の2種類の違い」「なぜ買取価格に差が出るのか？」「高く売るためのコツ」を分かりやすく解説します。

10万円金貨とは？御即位・御在位の違い

10万円金貨は、日本の造幣局が発行した記念金貨で、正式には「御即位記念金貨」と「御在位記念金貨」の2種類があります。その名のとおり、それぞれ天皇陛下のご即位とご在位を記念して作られたものです。

天皇陛下御即位記念10万円金貨

御即位記念金貨は、平成の天皇陛下（現在の上皇陛下）が即位されたことを記念して、1990年（平成2年）に発行された記念金貨です。

素材は純金（K24）で、重さは30g、直径は33mm。
裏面には菊の御紋章を中心に、鳳凰と瑞雲が描かれており、即位という荘厳な場面を象徴するデザインとなっています。

天皇陛下御在位60年記念10万円金貨

「天皇陛下御在位60年記念10万円金貨」は、1986年（昭和61年）に昭和天皇の御在位60年を記念して、日本造幣局より発行された金貨です。

素材は純金（K24）で、重さは20g、直径は28mm。
デザインには、中央に鳳凰、周囲には桐や橘が配され、在位60年という節目にふさわしい華やかさと格式のある図柄が採用されています。

額面以上の価値がある理由と、なぜ買取価格に差が出るの？

10万円金貨は、その名の通り額面が10万円と記されており、正式な法定通貨です。

けれど、実際には「お金として使う」というよりも、「金そのものの価値＝地金価値」に注目が集まっています。というのも、この金貨はどちらも純金（K24）で作られており、金の重さによって価値が決まるためです。

たとえば、御即位記念金貨は30g、御在位記念金貨は20gの純金が使われています。もし金相場が1gあたり10,000円だとしたら、それぞれ30万円・20万円という素材としての価値が生まれるのです。これが、額面10万円を大きく上回る価格で取引される理由です。

2種類の金貨で買取価格に差が出る理由は、使われている金の量が異なることにあります。御即位記念金貨は30g、御在位記念金貨は20g。買取業者はこの「金の重さ＝地金の価値」に基づいて査定を行うため、当然ながら30gの御即位記念金貨のほうが高額での買取が期待できる傾向にあります。見た目が似ていても、重さが異なることで素材としての価値に大きな差が出るのです。

銀行では額面でしか交換されない！損をしないために知っておきたいこと

10万円金貨をお持ちの方の中には、「これって銀行で使えるの？」と疑問に思われた方もいらっしゃるかもしれません。たしかに、10万円金貨は法定通貨ですので、銀行に持ち込めば現金10万円と交換することが可能です。ですが、それは非常にもったいない選択になってしまうのです。

というのも、銀行ではこの金貨を額面どおりの「10万円」としてしか取り扱わないからです。つまり、いま金相場が高騰していて、金の価値としては30万円以上になるような金貨であっても、銀行では「10万円」としてしか交換してくれません。

それに対して、買取店では金貨を「金製品（純金）」として評価し、その日の金相場に応じた価格で買い取ります。たとえば、30gの御即位記念金貨であれば、金相場が高い日には30万円を超えることも珍しくありません。こういった金の価値を踏まえた査定を行うのは、買取専門店だからこそできること。知らずに銀行へ持ち込んでしまうと、結果的に20万円以上も損をしてしまうことさえあるのです。