Ref.116503とは?基本情報をおさらい
Ref.116503は、ロレックスのコスモグラフ デイトナのコンビモデルとして2016年に登場した現行モデルです。ケースとブレスレットの主要部分にステンレススチールを使い、ベゼルやリューズ、プッシャー、ブレスレット中央のリンクに18Kイエローゴールドをあしらった、いわゆる「ロレゾール」仕様が特徴です。ステンレスのシャープさとゴールドの華やかさを両立させたデザインは、ビジネスシーンからカジュアルな装いまで幅広く合わせやすいと評価されています。
前身にあたるRef.116523(2000年~2016年製造)の後継モデルという位置づけで、ケースサイズやブレスレットの基本構造は先代を踏襲しつつ、ベゼルのタキメーター表示の書体がより力強い太字に変更されるなど、細部が現代的にアップデートされています。
基本スペック一覧
| 型番 | Ref.116503 |
|---|---|
| コレクション | コスモグラフ デイトナ |
| 登場年 | 2016年 |
| ケース素材 | ステンレススチール+18Kイエローゴールド(コンビ) |
| ケースサイズ | 40mm |
| ムーブメント | Cal.4130(自社製自動巻き) |
| パワーリザーブ | 72時間 |
| 防水性能 | 10気圧(100m) |
| 日付表示 | なし(ノンデイト) |
| クロノメーター認定 | あり(スーパーラティブ クロノメーター基準) |
デイトナというモデルの歴史をたどる
116503を理解するには、デイトナというコレクション全体の歴史を知っておくとより深く楽しめます。デイトナの原型は1963年に誕生した「コスモグラフ デイトナ」で、アメリカ・フロリダ州の自動車レース場「デイトナ・インターナショナル・スピードウェイ」とロレックスの関係の深さから、その名が冠されました。
ムーブメントの変遷も見逃せないポイントです。1988年まではヴァルジュー社製の手巻きムーブメントが搭載され、1988年から2000年まではゼニス社の名機「エル・プリメロ」をベースとした自動巻きムーブメントが採用されていました。そして2000年、ミレニアムイヤーにロレックスは初の完全自社設計・自社製造のクロノグラフムーブメント「Cal.4130」を発表し、時計業界に大きな話題を呼びました。このCal.4130は、部品点数を大幅に削減しながら耐久性とメンテナンス性を高めた画期的な設計で、以降のデイトナシリーズに長く採用され続けています。
コンビモデルの系譜としては、Cal.4130を初めて搭載したRef.116523が2000年から2016年まで16年間という長期にわたり製造されるロングセラーとなりました。その後継として2016年に登場したのが、本記事で取り上げるRef.116503です。ムーブメントや基本的なケース構造はRef.116523を踏襲していますが、ベゼルのデザインがよりモダンな印象に一新されています。
デザインの特徴|先代Ref.116523との違い
Ref.116503とRef.116523は、見た目が非常によく似ているため混同されがちですが、大きな違いはベゼルのタキメータースケールの書体にあります。116523では細字の繊細な数字が使われていたのに対し、116503ではより太く力強い書体に変更され、ホワイトゴールドモデルやピンクゴールドモデルと共通のデザイン言語が採用されました。この変更により、コンビモデルでありながらもスポーティで現代的な佇まいを獲得しています。
ムーブメント Cal.4130を徹底解説
116503の心臓部であるCal.4130は、ロレックスが2000年に発表した自社製の自動巻きクロノグラフムーブメントです。従来モデルに搭載されていたCal.4030(ゼニス エル・プリメロがベース)と比較して、クロノグラフ機構の部品点数を大幅に削減し、積算計を動かすパーツを裏蓋側に収める設計に変更したことで、耐久性・耐衝撃性・メンテナンス性が大きく向上しました。
パワーリザーブは72時間と長く、日常使いでも安心感があります。また、クロノグラフの動力伝達には「垂直クラッチ構造」を採用しており、計測開始・停止時の秒針の動きが非常にスムーズです。ひげゼンマイには温度変化や磁気の影響を受けにくい自社製のパラクロム製ひげゼンマイが使われ、安定した精度を実現しています。2015年以降のロレックス製品には、通常のクロノメーター規格の2倍以上厳しい独自基準「スーパーラティブ クロノメーター」認定が付与されており、116503もこの高精度基準をクリアしています。
文字盤・ベゼルのバリエーション
116503には複数の文字盤カラーとベゼルの仕様が存在し、それぞれ人気や相場に違いがあります。
- ブラック文字盤:デイトナの中でも最も定番とされる組み合わせで、流通量も比較的多く安定した人気があります。
- シャンパン文字盤/シルバー文字盤:ゴールドパーツとの相性が良く、近年評価が上昇している人気カラーです。
- 116503G:ベゼルにダイヤモンドをあしらった仕様で、よりラグジュアリー志向のモデルです。
- 116503NG:文字盤に天然素材のシェル(貝殻)を使用した仕様で、一点ごとに表情が異なる希少性の高さから、通常仕様よりも高値で取引される傾向にあります。保証書の有無によっても査定額に数十万円単位の差が出ることがあるため、購入・売却の際は付属品の有無も重要なチェックポイントです。
過去5年間(2021年~2026年)の相場推移
ここからは本記事の核心である相場動向を見ていきましょう。116503は生産終了モデルではなく現行モデルですが、世界的な品薄と需要の高さから、この5年間で相場は右肩上がりの推移をたどっています。
2021年~2022年:世界的な品薄と定価改定の連鎖
新型コロナウイルスの影響で世界的な供給不足が発生し、高級時計市場全体で品薄・価格高騰が加速した時期です。ロレックスは2021年8月、2022年1月、2022年9月と立て続けに定価改定を行い、それに連動する形で中古相場も上昇を続けました。
2023年~2024年:円安進行と相次ぐ値上げ
定価改定はさらに頻度を増し、2023年1月・9月、2024年1月・6月と繰り返し値上げが実施されました。円安の進行も重なり、海外バイヤーからの需要が高まったことで、コンビモデルである116503の実勢相場も着実に切り上がっていきました。
2025年:過去最大級の値上げと駆け込み需要
2025年1月には過去最大級ともいわれる大幅な値上げが実施され、素材・モデルによっては6~20%前後の価格改定となりました。この値上げ発表の前後には「値上げ前に買っておきたい」という駆け込み需要も発生し、中古相場を一段と押し上げる要因となりました。
2026年:金相場の高騰と歴史的円安が直撃
2026年1月にステンレスモデルで6~7%、コンビモデルで8~9%、ゴールドモデルで10%前後の値上げが実施されたのに続き、6月にもコンビモデルで2.5%前後、ゴールドモデルで5%前後の値上げが行われました。金相場(ゴールド価格)の記録的な高騰と、歴史的な水準の円安が重なったことで、2026年7月時点では多くの人気モデルが最高値圏で推移しています。116503のブラック文字盤は買取相場で未使用品300万円台前半~340万円前後、中古品でも300万円台前半という高水準が続いており、シャンパン・シルバー文字盤も同様に高値をキープしています。希少なシェル文字盤仕様(116503NG)は、天然素材ゆえの一点物としての価値も加わり、通常仕様より20万~30万円ほど高く取引されるケースが多く見られます。
相場上昇の背景にある主な要因
- 度重なる定価改定:ここ数年、ロレックスは年1~2回のペースで定価改定を行っており、新品価格の上昇が中古相場を押し上げる構造になっています。
- 歴史的な円安:円建てでの実勢相場は、海外での需要増加や為替差益を狙う動きの影響を強く受けています。
- 金相場の高騰:イエローゴールドを使用するコンビモデルは、地金相場の上昇の影響を受けやすい傾向にあります。
- 世界的な品薄・供給不足:正規店での入手が難しい状況が続いており、中古・並行市場への需要集中が続いています。
- 「使いやすい資産」としての評価:デイトナ全体の中でも比較的手が届きやすく、かつ値崩れしにくいモデルとして、投資目的での需要も根強くあります。
購入を検討する際の注意点
116503は現行モデルであるため正規店での取り扱いもありますが、人気モデルゆえに入手までに長い期間を要することも珍しくありません。中古・並行輸入市場で購入する場合は、正規のオーバーホール履歴や保証書(ギャランティカード)の有無、文字盤やベゼルの状態、金無垢パーツの摩耗具合などを必ず確認しましょう。特にシェル文字盤仕様は個体差が大きいため、実物を確認してから購入することをおすすめします。
売却を検討している方へ
現在のように相場が高値圏で推移しているタイミングは、売却を考えている方にとって好機となり得ます。特に保証書付きの未使用品・美品は査定額が大きく上がる傾向にあるため、付属品を揃えて査定に出すことが高額買取のポイントです。ただし相場は日々変動するため、複数の買取店で見積もりを比較し、最新の相場情報を確認したうえで判断することをおすすめします。
まとめ
Ref.116503は、ステンレスとイエローゴールドを組み合わせたロレックス デイトナのコンビモデルとして、デザイン性・機能性・資産性のバランスに優れた一本です。前身のRef.116523から受け継いだ完成度の高いCal.4130ムーブメントに、現代的なベゼルデザインを組み合わせ、2016年の登場以来、根強い人気を保っています。
過去5年間の相場推移を見ると、度重なる定価改定、歴史的な円安、金相場の高騰といった複合的な要因により、右肩上がりの傾向が続いていることがわかります。購入・売却いずれを検討する場合も、最新の相場情報をこまめにチェックしながら、信頼できる専門店で相談することが大切です。




